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日商簿記3級 対策8~ 諸取引の処理・その他の債権と債務等

日商簿記3級
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今回は、主たる営業に関連しない債権債務と、併せて覚えておきたい、主たる営業にかかる掛取引以外の債権債務の勘定科目を紹介します。

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その他の債権と債務等

この記事では、簿記3級の試験でミスをしやすい箇所を含めて、勘定科目をイメージで理解できるようまとめています。

ア.貸付金、借入金

貸付金・借入金とは、借用証書や手形により貸付けた金銭・借入れた金銭のことです。

金銭の貸付・借入は、一般的に借用証書により契約を結びます。借用証書とは、金銭消費貸借証書などのことです。この場合は貸付金勘定・借入金勘定を使います。

(例)城西商店は、伊達商店に現金100円を貸付けた。
城西商店の仕訳は、下記になります。

(借)貸付金100 (貸)現金100

一方、手形貸付金は、商品売買(商取引)ではなく、金銭の貸付や借入(金融取引)で手形を用いる場合に使う勘定科目です。

この時、商品売買と異なり、受取手形勘定・支払手形勘定を使わないよう注意しましょう。特に仕訳の問題では “約束手形“ というワードに反応して受取手形・支払手形を咄嗟に選択肢から選んでしまう受験生が多く見られます。

(例)白鳥商店は、扇商店に100円の融資を申し入れ、白鳥商店が約束手形を振り出し、現金をその場で受取った。

※間違えやすいパターンを×上段に紹介しています。仕訳の形は、商品売買の手形取引と同じイメージで大丈夫です。下記の仕訳になります。

白鳥商店の仕訳
×(借)現金100 (貸)支払手形100
○(借)現金100 (貸)手形借入金100

扇商店の仕訳
×(借)受取手形100 (貸)現金100
○(借)手形貸付金100 (貸)現金100

イ.未収入金、未払金

未収入金・未払金とは、後日に受取る・支払う代金で主たる営業以外の場面で生じたものです。商品売買では、売掛金勘定・買掛金勘定を使いましたが、未収入金勘定・未払金勘定は、土地の購入や備品の売却など商品売買以外の場面で使います。

ウ.前払金、前受金

商品売買契約をより確実なものとするための手付金・内金のことです。手付金・内金は商品代金の一部で、下記の仕訳が行われます。

(例)5月1日、仙台商事は坂下商事に商品50円を売上げ、後日、商品を届けることにした。引渡し前に手付金として10円を現金で受け取った。5月7日、商品を届け手付金を差し引いた残額を現金で受け取った。

〈仙台〉
5月1日
(借)現金10 (貸)前受金10
5月7日
(借)前受金10 (貸)売上50
現金40

〈坂下〉
5月1日
(借)前払金10 (貸) 現金10
5月7日
(借)仕入50 (貸)前払金10
現金 40
実際に商品の引渡しが完了した時に、上記の仕訳が行われ手付金分がゼロになります。

ちなみに、手付金と内金は、解約条件など法律的にはイコールではありません。覚える必要はありませんが、会計を志す人は雑学程度に知っておくと損はないでしょう。

エ.契約資産、契約負債

簿記2級の出題範囲です。収益認識基準の改正に伴い、新しい論点として出題範囲に加わる予定の論点です。契約資産勘定、契約負債勘定という科目があることを知っておくと良いでしょう。

オ.立替金、預り金

立替金とは、一時的に立替えた金銭のことです。多くの場面で使いますが、例として、商談会議室の使用料を従業員が立替えた場合など、外部に支払った際に立替金勘定を使います。

従業員が給料日の前に一部を受取りたいなど、内部での立替金は、上記と区別するために従業員立替金勘定を使う場合があります。問題に指示があるので見落とさないようにしましょう。

預り金とは、一時的に預かった金銭のことです。たとえば、社会保険料や源泉所得税などがあります。

カ.仮払金、仮受金

詳細が未確定ではあるが、先に受渡しが行われた金銭のことです。

(例)出張のための交通費を従業員に概算で100円渡した。出張後、余った20円を受取るとともに、明細に従い交通費勘定へ振替えた。この時、経理部にて下記の仕訳が行われます。

〈出張前〉
(借)仮払金100 (現金)100

〈出張後〉
(借)交通費80 (貸)仮払金100
現金20

キ.受取商品券

受取商品券は、他店が発行した商品券のことで、ギフト券や商店街共通商品券などがあります。他店が発行した商品券は、買い取ってもらうことが可能なので属性は、資産です。よって、下記の仕訳を行います。

(例)売上の代金10円を商品券で受取った。
(借)受取商品券10 (貸)売上10

受取商品券は、これまでは上記のような例文で出題されてきましたが、簿記3級の出題内容が個人商店から株式会社に変更されたことから、これまでとは違う事例で問題文がだされることが予想されます。基礎をしっかりおさえておけば、特に戸惑う必要はありません。

なお、商品券の発行者側の仕訳は、簿記1級の学習範囲です。

ク.差入保証金

差入保証金とは、債務者が債権者に対して契約を担保するために支払う金銭のことです。たとえば、営業保証金や不動産賃貸敷金などがあります。原則としては、契約が終了すると返還されます。貸借対照表には、差入保証金として資産の部に表示します。

(例)営業のための店舗賃貸契約をし、敷金として10円を支払った。
(借)差入保証金 10 (貸)現金 10

なお、預り保証金は、この差入保証金を受け取った側が用いる勘定科目です。

まとめ

今回は、簿記3級で学習するさまざまな種類の債権債務を紹介しました。勘定科目の意味と用いる場面を、問題を繰り返し解いて身につけましょう。

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