今回は、税金の基本的な知識と会計処理を確認します。
税金
簿記3級試験で出題される税金の会計処理には、どのようなルールがあるのか確認しましょう。
この記事では、税金知識の基礎をまとめています。ぜひ、学習や実務にお役立てください。
ア.固定資産税など
「固定資産税」とは、所有資産に対して課せられる税金で、経費として認められる税金です。他に、印紙税・自動車税などが経費として認められます。
勘定科目は“租税公課勘定“を使います。
〈例〉固定資産税3円を現金で納付した。
(借)租税公課3 (貸)現金3
なお、この論点での注意点は「固定資産取得税」は付随費用として固定資産の取得原価に含めて処理するという点です。
イ.法人税・住民税・事業税
「法人税」とは、一会計期間の所得に対して課される国税のことです。
「住民税」とは、一会計期間の所得に対して課される地方税のことで、都道府県民税と市町村民税に分けられます。
「事業税」とは、一会計期間の所得に対して課される地方税のことで、事業税と地方法人特別税に分けられます。
仕訳の流れは下記のようになります。
〈決算時〉税額を算出したところ、8円となった。
(借)法人税、住民税及び事業税 8 (貸)未払法人税等 8
〈支払時〉上記を翌期の納付時期に支払った。
(借)未払法人税等8 (貸)現金8
表示は、下記のようになります。
「損益計算書」
1 売上高
2 売上原価
売上総利益
3 販売費及び一般管理費
営業利益
4 営業外収益
5 営業外費用
経常利益
6 特別利益
7 特別損失
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税
当期純利益
ウ.消費税(税抜方式)
「消費税」とは、商品購入の際に購入者が負担する税金です。
購入者は商品代金とともに消費税を支払いますが、事業者がまとめて納付しています。
事業者は、売上などにより受取った消費税から仕入などにより支払った消費税の差額を納付します。
◇消費税の会計処理
会計処理には下記の種類があります。
「税込方式」…消費税を費用または収益に含めて記帳する方法
「税抜方式」…消費税額を区分して記帳する方法
ここでは、上記のうち簿記学習に必要な「税抜方式」について解説します。
仕入時→仮払消費税勘定で仕訳します。
売上時→仮受消費税勘定で仕訳します。
〈例〉清水商事は、青森商事から商品100円を消費税10円と合わせて掛で仕入れた
清水商事
(借)仕入100 (買掛金)110
仮払消費税10
青森商事
(借)売掛金110 (売上)100
仮受消費税10
〈例〉決算3/31の仕訳・納付4/30の仕訳
清水商事の当期における仮受消費税は900円、仮払消費税は300円であった
(借)仮受消費税900 (貸)仮払消費税300
未払消費税600
翌期、上記の未払消費税を現金で支払った
(借)未払消費税600 (貸)現金600
税金の概要を把握
今回は、税金について確認しました。
簿記3級の学習では、納付方法や納付時期などを細かく把握する必要はありません。
ただし、支払いを実際に行うのは翌年度になるので、会計期間と納付期間にズレが生じることはしっかり意識しておくと良いでしょう。