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日商簿記3級 対策11~決算整理1

日商簿記3級
日商簿記3級

決算整理とは、期中取引が記録された総勘定元帳をもとに、決算整理事項に従って修正を行うことです。

簿記3級試験では総合問題で出題されます。「決算整理前残高試算表」と「決算整理事項」が資料で与えられ、修正仕訳を行い「決算整理後残高試算表」「貸借対照表」「損益計算書」などを作成するのが出題セオリーです。

この記事では、決算整理事項に記載される論点をまとめています。決算問題対策の基礎知識として御覧ください。

決算整理で行うこと

当座借越の振替

小切手振出高が当座預金残高を超過する場合、銀行からの借入状態を意味します。
そのため、貸借対照表の負債項目に記載するために決算整理仕訳が必要です。なお、借方残高の場合には、決算整理仕訳は必要ありません。

〈例〉決算日現在、当座預金残高は貸方20円である。
(借)当座預金20 (貸)当座借越 20

商品棚卸

ここでは、繰越商品について解説します。まずは、用語を整理です。

「繰越商品」は流動資産に属する貸借対照表項目です。期中仕訳には使いません。
「期首商品棚卸高」…前期末から繰り越された商品をあらわす、損益計算書の売上原価欄で記載されます。
「当期商品仕入高」…当期に仕入勘定を使って会計処理した仕入高です。
「期末商品棚卸高」…翌期首へ繰り越す商品をあらわす、損益計算書の売上原価欄で記載されます。

・売上原価算定方法

売上原価とは、販売した分に対する原価を意味します。決算を迎えたら、期末在庫を控除して、収益に対応した費用を財務諸表に載せなければいけません。そのために決算で、売上原価の算定を行います。

計算式:売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

・売上原価算定仕訳の手順

手順1:期首商品棚卸高を繰越商品勘定から仕入勘定へ振替える
(借)仕入 20 (貸)繰越商品 20
手順2:期末商品棚卸高を仕入勘定から繰越商品勘定へ振替える
(借)繰越商品 10 (貸)仕入 10

試験問題では、図例の損益計算書が空白になっているので、名称と金額を解答します。用語をしっかり覚えておきましょう。金額欄の埋め方は売上原価算定の仕訳とあわせて練習してください。

貸倒見積り

決算整理では、売上債権が回収不能となった場合にそなえて、貸倒引当金を設定します。

・貸倒引当金

実際に貸倒れが発生しているわけではないので、売掛金勘定・受取手形勘定の金額を減らすことはできません。ここで、評価勘定である”貸倒引当金”勘定を使います。

貸倒引当金という勘定は、評価勘定と呼ばれ、売掛金・受取手形などの売上債権の実際の価値を示すために使われます。
貸借対照表の表示上、売掛金・受取手形のうち、回収できないかもしれない金額を貸倒引当金勘定であらわします。わかりやすい財務諸表をつくるための会計ルールです。

〈例〉
決算整理にて、売掛金の2%が回収不能になると見込み、引当金を設定する(売掛金残高800円)。
800×0.02=16
(借)貸倒引当金繰入 16 (貸)貸倒引当金 16

〈表示例〉

・前期末設定の貸倒引当金残高の整理

貸倒引当金の設定は、毎期末に行います。ですが、実際に貸倒れることなく回収できた場合には、決算整理で調整します。

〈例〉
決算整理にて、売掛金の2%が回収不能になると見込み、引当金を設定する(売掛金残高700円)。なお、貸倒引当金の残高は4円である。
700×0.02=14
14-4=10※1
(借)貸倒引当金繰入 10 (貸)貸倒引当金 10
※1簿記3級では、差額補充法という貸倒引当金の設定が出題されます。前期末の貸倒引当金残高がある場合には、当期設定額と引当金残高の差額を補充する方法で設定します。

減価償却

減価償却とは、会計ルールである”費用配分の原則”に従い、有形固定資産の取得原価を耐用年数にわたり費用化することです。適正な減価償却を行うことで、毎期の損益計算を正確なものにするなどの効果があります。

〈例〉
決算整理にて、建物の減価償却を定額法により行う。(建物取得原価:500残存価額:50円・耐用年数:10年※2・記帳方法:間接法)
(500-50)÷10=45
(借)建物減価償却費 45 (貸)建物減価償却累計額 45

※2残存価額とは、減価償却終了時(耐用年数経過時)に残る処分見込額のことです。耐用年数とは、資産の利用可能年数で減価償却を行う期間のことです。

・減価償却累計額

減価償却累計額という勘定は評価勘定と呼ばれ、貸借対照表の資産項目に資産の減少をあらわすために記載します。資産の実際価値をわかりやすくする効果があります。

減価償却の問題では、計算方法をしっかり覚えておかなければ解答できません。繰り返し練習しましょう。

貯蔵品棚卸

期中に、切手や印紙など即換金できるものを費用として会計処理した場合には、資産に振替えるための決算整理仕訳を行います。

〈例1〉4月1日に切手を800円購入した。
期中仕訳
(借)通信費 800 (貸)現金 800
〈例2〉
例1のうち、20円の未使用高を次期に繰り越すため、決算整理仕訳を行う。
(借)貯蔵品 20 (貸)通信費 20

まとめ

今回は、決算整理事項に沿って基礎概念を紹介しました。決算整理仕訳は、慣れてしまえば確実に得点源になります。ほぼ毎回、出題されますので基礎を理解して練習問題を進めてください。

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