複式簿記を学ぶための7つのポイント|その②借方・貸方の本質を完全マスター!

お金の資格
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「借方」と「貸方」の壁、ここで突破!

まずは前回の復習から

簿記の基本公式は覚えていますか?

資産 = 負債 + 純資産

この公式を図で表したものが、いわゆる「貸借対照表(バランスシート)」です。

つまり、「いま手元にある資産は、他人からの借入(負債)と自分自身の出資(純資産)によって構成されている」というわけですね。


借入金なのに「貸方」って、なんで?

貸借対照表では、左側に資産(=借方)、右側に負債と純資産(=貸方)を配置します。

ここで、多くの人がつまずくのが「借入金は“借りたお金”なのに、なぜ貸方に記載されるのか?」という疑問です。

【例1】

あなたの会社が200万円を自己資金で、さらに100万円を銀行から借りて、合計300万円の現金を保有しているとしましょう。

このときの貸借対照表はこうなります:

  • 借方(左): 現金300万円(実際に手元にあるお金)

  • 貸方(右): 自己資金200万円(純資産)+ 借入金100万円(負債)

ここで重要なのは、「借りた」という視点ではなく、“だれが出したお金か”という視点です。

  • 銀行が100万円貸してくれた → 会社にとっては負債 → 貸方に記載

  • 自分が出資した200万円 → 自己資本 → 貸方に記載

つまり、「借方=会社に入ってきたもの」、「貸方=その出所」という考え方がポイントです。


今度は逆に、会社が貸したらどうなる?

【例2】

会社が手元の現金から50万円を、すずらん堂商店に貸したとしましょう。

このときの仕訳はこうなります:

  • 借方: 貸付金50万円(相手に貸したお金)

  • 貸方: 現金50万円(手元から出ていったお金)

一見ややこしく見えますが、「貸付金」は将来的に現金として返ってくる“資産”なので、借方に計上されるのです。

資産が増えるときは借方、減るときは貸方に動きます。

現金が出ていった分は貸方、貸したお金(=返してもらえる権利)は借方という整理ですね。


最後にまとめ:借方と貸方、こう考えよう

借方・貸方を理解するカギは、この2つの視点です:

  1. 貸借対照表の構造視点
     → 借方(左):今ある財産
     → 貸方(右):その財産の出所

  2. 動きの視点(感覚的な捉え方)
     → 借方:入ってきた/得た/増えた
     → 貸方:出ていった/失った/減った

この2つを押さえておけば、「なんでこっちが借で、あっちが貸なんだ?」と悩むことも少なくなるはずです。


【借方・貸方のコツ】

📌 「借り」は入り、「貸し」は出。
これが複式簿記の感覚の土台です。

次回は、私たちにとって馴染み深い家計簿や預金通帳の「単式簿記」と、今学んでいる「複式簿記」の違いについて解説します!

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