事務所を売却するなら知っておきたい基礎知識と準備のポイント|宮崎市のファイナンシャルプランナー

お金のまわり
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画像:写真AC

事務所を売却するときは価格の設定やタイミングなどに注意が必要です。

ここでは事務所を高くで売るときの注意点や方法などお伝えします。

事務所を売却するときの特徴は?

事務所を売却する際の大きな特徴は、購入者が主にビジネス目的である点です。

そのため、居住用物件とは異なり、高めの価格設定が可能です。

特に立地が良く、設備が整っている事務所は高額で売れる可能性が高いです。

さらに、法人や個人事業主が購入者となる場合、金融機関からの融資がしやすい点もメリットです。

商用なので居住用より高めの金額で設定できる


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事務所を手放す際、対象となる購入者は基本的に住居目的ではなく、ビジネスの拠点として物件を探しています。

そのため、居住用物件よりも高めの価格で売り出すことができるのが大きな特徴です。

特に、都市部や人の行き来が多いエリアに立地し、延床面積が広く、築浅で設備が整っている事務所であれば、高額での売却が見込めます。

また、事業者は法人や個人事業主であることが多く、金融機関からの融資が受けやすい傾向があるため、購入資金を多めに確保している場合もあります。

こうした点から、価格交渉のスタート地点を居住用よりも高めに設定しやすく、交渉の主導権を握ることも可能になります。

テナント退去時に原状回復費用を負担する可能性

事務所を賃貸として貸し出していた場合、テナント(借主)は事業に合った内装工事を施すことが一般的です。

これにより退去時には「原状回復義務」が発生します。

住宅賃貸では通常、経年劣化や通常使用による損耗の修繕は貸主側が負担するケースが多いですが、事業用物件の場合は借主が原状回復の責任を負うのが一般的です。

そのため、入居時に保証金を預かり、退去時の修繕費に備えます。

ただし、万が一家賃滞納のまま退去された場合などは、保証金だけでは修繕費用が賄えず、貸主が一部を負担するリスクも考えられます。

売却を検討している場合には、こうした経緯や原状の状態をきちんと整理しておくことが重要です。

景気により入居状況が変わる

事業用物件の大きな特徴の一つが、景気動向に左右されやすい点です。

景気が好調な時期には、新たにビジネスを立ち上げる人や、事業拡大により事務所を探す法人が増える傾向があります。

そのため、退去が発生しても次の入居者がスムーズに決まる可能性があります。

一方で、景気が低迷すると事業縮小や廃業により、賃貸契約が解除されやすくなります。

また、コスト削減のために家賃の安い物件への移転が進み、空室リスクが高まります。

空室期間中も、固定資産税や水道光熱費、管理費といった維持費用は発生しますので、所有者としては経済的な負担を計算に入れておく必要があります。

事務所を売却するときの注意点

事務所を売却する際にはいくつかの注意点があります。

特に、賃貸中の物件であれば、入居者への通知や価格設定が重要です。

さらに、売却後には確定申告が必要な場合もあるため、税務処理についても理解を深めておく必要があります。


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事務所を売却した旨を入居者に通知

賃貸中の事務所を売却する際、賃借人の「同意」を得る必要はありません。

ただし、売却により所有者(賃貸人)が変更されると、賃貸借契約の名義や賃料の振込先などに変更が生じる場合があります。

そのため、賃借人には速やかに「売却によって所有者が変わる旨」を通知し、新しい振込先や管理会社の情報を明確に伝えることがトラブル防止につながります。

通知を怠ると、旧所有者に賃料を振り込み続けるなど、混乱が生じるおそれがあります。

事務所の売却価格の設定

事務所の売買価格は、一般住宅と比べて相場の幅が大きく、エリアの需給バランスや景気動向、用途制限などの要素が複雑に絡み合っています。

売れないからといって安易に値下げしてしまうと、「売れ残り物件」として市場にネガティブな印象を与えかねません。

また、一度価格を下げるとその後の再値上げは困難です。

価格設定の際は、類似物件の実績や近隣の成約事例を参考にし、不動産業者と連携して慎重に決定することが重要です。

事務所の売却後には確定申告を

不動産の売却により得た利益(譲渡所得)がある場合、原則として確定申告が必要になります。

譲渡所得は「売却額-取得費-売却にかかった諸費用」で計算され、課税の対象となります。

同じ年に複数の不動産を売却している場合、それぞれの譲渡損益は合算して申告できます。

譲渡所得が赤字になる場合は申告義務はありませんが、還付を受けられる可能性があるため申告することをおすすめします。

不動産売却後の税務処理は専門的な知識が必要なため、税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。

事務所を高くで売却するには?

事務所を高く売却するためには、物件の魅力を最大限に引き出すことが重要です。

整理整頓を行い、内覧時に好印象を与えることが大切です。

さらに、売却タイミングや購入希望者に対して物件の利点をアピールすることで、交渉を有利に進めることができます。


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事務所を整理整頓し使いやすくする

事務所の第一印象はとても重要です。内覧時に室内が散らかっていたり、使用感が強い印象を与えたりすると、購入希望者の評価は下がってしまいます。

物件をより魅力的に見せるためにも、整理整頓を徹底し、照明や設備の清掃なども行っておきましょう。

可能であれば、不要な家具は撤去し、空間の広がりを演出すると効果的です。

内覧の際にスムーズに案内できるよう、常に清潔で整った状態を維持しておくことが高値売却への第一歩です。

事務所を売却するタイミングを確認

市場の動向や経済情勢は、売却価格に大きな影響を与えます。

低金利の環境では融資を受けやすく、買い手が付きやすいため、売却には有利な時期といえます。

一方で、在宅勤務の普及や感染症の拡大といった社会変化により、オフィス需要そのものが減少するケースもあります。

事務所の立地や物件の性質によって、需要の高まるタイミングを見極めることが重要です。

事務所を購入するメリットをまとめる

購入希望者に「この物件を選ぶ理由」を明確に伝えることは、成約率を上げるために欠かせません。

たとえば、「駅から遠いように見えても、実際は近道がある」「修繕履歴があり、安心して使用できる」など、プラスの要素を事前に洗い出しておきましょう。

また、他の物件と比較して優れているポイント(地盤の安定性、近隣の利便性など)も併せて伝えることで、購入者の納得感が高まり、価格交渉でも有利になります。

まとめ


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この記事では、事務所を売却する際に知っておきたい特徴や注意点、そして高く売却するための実践的なポイントをご紹介しました。

事務所の売却には専門知識や戦略が求められますが、しっかりと準備を進めていけば納得のいく取引を実現することができます。

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