複式簿記を学ぶための7つのポイント|その④簿記検定試験の要となる仕訳

お金の資格
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仕訳の基本理解

仕訳とは、1つの取引に対して「どの勘定科目にいくらを記録するか」を整理する作業のことです。

これを理解することは、簿記を学ぶ上でとても重要なステップで、日商簿記検定の3級2級でも必ず出題されます。

仕訳ができるようになると、簿記の基本的な流れがしっかりと身につきますよ。

さらに、仕訳の問題が直接出題されない場合でも、ほとんどの問題は仕訳の理解を前提に解答する必要があります。

そのため、仕訳の理解は試験や実務で非常に重要です。


仕訳を理解しよう

仕訳をしっかり理解するためには、まず「単式簿記」と「複式簿記」の違いを押さえておくと良いでしょう。

例として、次のような取引を見てみましょう:

  1. 7月1日:自分の資金で現金200万円を出資して開業

  2. 7月2日:埼玉銀行から現金100万円を借り入れ

  3. 7月8日:すずらん堂商店に現金50万円を貸し付け

  4. 7月16日:50万円の備品を現金で購入

  5. 7月22日:150万円の商品を現金で仕入れ

これらの取引を「取引」として、複式簿記でどう仕訳するかを見ていきます。


単式簿記と複式簿記の違い

  • 単式簿記では現金の増減だけを記録しますが、

  • 複式簿記では取引に対して、借方と貸方の両方に同じ金額を記録します。これが「二重性」の考え方です。

実際に、上記の取引について仕訳をすると、次のようになります:

  1. 取引1
    (借方)現金 200万円 / (貸方)資本金 200万円

  2. 取引2
    (借方)現金 100万円 / (貸方)借入金 100万円

  3. 取引3
    (借方)貸付金 50万円 / (貸方)現金 50万円

  4. 取引4
    (借方)備品 50万円 / (貸方)現金 50万円

  5. 取引5
    (借方)商品 150万円 / (貸方)現金 150万円


借方と貸方の一致

  • ポイントは、借方と貸方の金額が常に一致することです。この仕組みを「貸借平均の原則」と言います。


仕訳と総勘定元帳

仕訳を行うことで、どの勘定科目がどう変動するかを整理した後は、その情報を総勘定元帳に記入します。

この作業が簿記の核となる部分で、実際の帳簿に反映させる作業です。

例えば、現金勘定資本金勘定などの勘定科目に対して、増減をT字型の帳簿に記入していきます。

現金が増えた場合は借方に記録し、減った場合は貸方に記録します。

具体的な記入例

  • 7月1日の取引では、次のように記入されます:

    • 現金勘定

      • 借方に200万円(現金が増えた分)

    • 資本金勘定

      • 貸方に200万円(資本金の出資として現金が減った分)

こうして仕訳が総勘定元帳に反映されて、最終的には貸借対照表に記載されます。


損益計算書の作成方法

簿記で絶対に覚えておきたいのが「損益計算書」の作り方です。

損益計算書は、期間中にどれだけの利益が出たのか、または損失が出たのかを示すための書類です。

企業が行った活動(売上や費用)をまとめて、最終的な「利益」や「損失」を計算します。

損益の記録方法

損益計算書を作成するために重要なのは、収益費用をしっかり分けて記録することです。

  • 収益:企業が商品やサービスを提供して得たお金です。例:売上高、受取利息

  • 費用:事業を行うためにかかるお金です。例:仕入高、従業員の給与、広告宣伝費

損益計算書の基本式

利益(損失) = 収益 – 費用
利益が出た場合は「利益」、費用が収益を上回った場合は「損失」となります。
 

損益計算書の作成例

例えば、次のような取引があった場合:

  • 売上高:500万円

  • 仕入高:200万円

  • 人件費:100万円

  • 広告宣伝費:50万円

損益計算書は以下のように作成されます:

  • 収益 = 500万円

  • 費用 = 200万円 + 100万円 + 50万円 = 350万円

  • 利益(損失) = 500万円 – 350万円 = 150万円(利益)


まとめ

簿記を学ぶ中で、「仕訳」「総勘定元帳」「損益計算書」をしっかり理解することは、実務でも役立つ重要なスキルです。

最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習することで、だんだんと理解が深まっていきます。がんばってくださいね!

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